公益社団法人有機合成化学協会 SSOCJ - The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan

豊かな明日を創る有機合成

第105回有機合成シンポジウム2014年【春】開催報告

第105回有機合成シンポジウム2014年【春】開催報告
主催 有機合成化学協会/
共催:日本化学会、日本薬学会、日本農芸化学会
日時 [終了]平成26年6月10日(火)~11日(水) 
会場 東京工業大学(大岡山キャンパス)ディジタル多目的ホール
プログラム

» プログラムのページへ


» プログラム(PDF 約1.1M)ダウンロード

開催報告

去る平成26年6月10日、11日の2日間、第105回有機合成シンポジウムが東京工業大学大岡山キャンパスにて開催されました。

様々な業種の化学系企業から、また、学生から若手、シニア教員まで幅広く、約160名が参加しました。発表演題も反応開発から天然物合成まで、そして各々、メカニズム解析や構造論を主眼としたものから医療応用を念頭に置いたものに至るまで多岐にわたり、そのすべてが一つの会場で発表、討論されました。

1日目の一般の口頭発表では、比較的アットホームな雰囲気の中、活発な質問が数多くなされていました。発表内容をしっかりと理解した、研究の本質に迫る質問が学生の方々からも多数発せられていたのが印象的でした。発表内容も、非常に鮮度が高いと形容するにふさわしく、まさに今、各研究室でなされている最先端の研究成果をじっくりと理解する大変良い機会になりました。

受賞講演 

「巨大複雑天然物の高効率な全合成」(東北大学大学院生命科学研究科教授)佐々木 誠 平成25年度企業冠賞(第一三共・創薬有機化学賞)受賞講演
「巨大複雑天然物の高効率な全合成」
(東北大学大学院生命科学研究科教授)佐々木 誠 先生


「p-キラルホスフィン配位子の研究開発と工業的製造法の確立」(日本化学工業㈱研究顧問/千葉大学名誉教授)今本恒雄 平成25年度有機合成化学協会賞(技術的なもの)受賞講演
「p-キラルホスフィン配位子の研究開発と工業的製造法の確立」
(日本化学工業㈱研究顧問/千葉大学名誉教授)今本恒雄 先生


1日目に行われた受賞講演では、複雑さと大きさに圧倒されてしまいそうな海洋天然物の合成に果敢に挑む佐々木先生の研究と、リン原子上に不斉中心をもつことにこだわった独創的な配位子の開発を基礎研究から積み上げ、実用性の高い不斉ホスフィン配位子の設計•合成、そして工業的製造法の確立まで到達させた今本先生の研究を拝聴しました。 最先端の研究成果を吸収できたことに加え、要素技術の開発には10年単位の地道な努力が必要であること、磨き上げられた技術こそが様々な分野に展開し、さらには工業化に発展するような化学技術になり得るのだと学びました。このような講演を聴く機会は、学生の方々にとっても大変刺激になり、今後の指針ともなるのではないでしょうか。

受賞講演後に行われたミキサーにも多くの方々が参加し、学生もベテランもなく、飲んで食べて議論して大いに盛り上がりました。



2日目も前日の熱がそのまま引き継がれ、2日間、はじめから終わりまで活気を保ったまま会が進行しました。
参加者の多くが帰り道に「2日間、よく勉強した」と口にしていたのが印象的でした。

さまざまな領域で有機合成化学に携わる様々な研究者が一つの会場に集まり、様々な内容の研究発表を聞き、予期せぬ質問や意見も飛び出す中で議論を深める―今回も「これぞ有機合成シンポジウム」といえる会であったと思います。
もう、秋のシンポジウム(11月6日、7日;早稲田大学)の参加申し込みは始まっています。また、そこで熱い議論が交わされることを楽しみにしています。

<2014年度事業委員会委員>
(東京薬大 松本隆司)  (三井化学(株)生産技術研究所 鶴来 交)

ページ更新日
2014年08月22日