プログラム

M:Mukaiyama Award 受賞講演 / L:Lectureship 受賞講演 / A:奨励賞受賞講演 / I:招待講演

≫9月9日 ≫9月10日 ≫9月11日 
第1日:9月9日(水)
開会式  
12:50~
13:00
挨拶 八谷  巌 (実行委員長,三重大学大学院工学研究科)
I-1
13:00~
13:50
座長: 岡 夏央(岐阜大学工学部)
「化学を基盤としたmRNA創薬研究の新展開 (仮題)」
阿部  洋 (名古屋大学大学院理学研究科)
mRNA医薬はワクチン開発を端緒として急速な発展を遂げているが、その安定性、翻訳効率、ならびに体内動態の制御には依然として化学的な課題が残されている。本講演では、当研究室が独自に開発してきた人工核酸化学およびmRNAキャップ構造の精密合成を基盤とした分子設計を概説し、翻訳活性の向上や生体内安定性の改善に向けた新たなアプローチを紹介する。さらに、こうした化学的手法が拓く次世代のmRNA創薬の可能性と今後の展望について議論したい。
I-2
13:50~
14:40
座長: 柴富 一孝(豊橋技術科学大学次世代半導体・センサ科学研究所)
「キラル中間体・原薬の製造プロセス開発:開発初期ステージにおける研究戦略・事例紹介」
上田  剛 (第一三共株式会社 プロセス技術研究所)
キラル中間体・原薬の製造プロセス開発事例として、LCAT活性化剤、TAFIa阻害剤、Purpurin 18の3例を紹介する。LCAT活性化剤およびTAFIa阻害剤では、ジアステレオマー塩分割・酵素分割・不斉水素化・異性化晶析など複数の光学活性体取得法を網羅的に検討し、製造プロセスを確立した。Purpurin 18ではスピルリナ粉末からの抽出・化学変換により初のキログラムスケール製造を達成した。各事例を通じ、開発ステージと化合物特性に応じた研究戦略の重要性を示す。
― 休憩 ―
I-3
14:50

15:40
座長: 萬代 大樹(岐阜医療科学大学薬学部)
「有機触媒を基軸とするラジカル反応制御」
大宮 寛久 (京都大学大学院工学研究科)
ラジカル反応は高い反応性を有する一方で、その選択的制御は有機合成化学における長年の課題であった。本講演では、有機触媒を基軸としてラジカルの発生と反応性を精密に制御する新たな反応設計について紹介する。光や一電子移動を活用した触媒設計の基本原理と、有機合成、医薬品合成、さらには化学生物学への応用を例に、有機触媒によるラジカル反応制御の最近の進展について概説する。
I-4
15:40~
16:30
座長: 村田 剛志(愛知工業大学工学部)
「電子受容性炭化水素の創製」
深澤 愛子 (京都大学高等研究院 物質-細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS))
有機分子からなる電子受容体は,機能性色素や有機半導体材料,分子性金属など応用の枠組みを超えて必要不可欠である。しかしながら,ポリエンやPAHに象徴されるπ共役炭化水素は一般に高い HOMOをもち,電子供与体として機能する。このため,電子受容体の実現には,ハロゲンやカルボニル基,シアノ基などの電子求引基の導入が常識であった。本発表では,電子求引基の導入に依らずに突出した電子受容性を実現するための分子設計と合成,そして得られた物質群の特性について紹介する。
― 休憩 ―
表彰式
16:40~
16:50
Mukaiyama Award説明: 八谷  巌(三重大学大学院工学研究科)
Mukaiyama Award授与: 須貝  威(有機合成化学協会会長,慶應義塾大学名誉教授)
M-1
16:50~
17:50
座長: 石原 一彰(名古屋大学大学院工学研究科)
New Concepts for Atom and Functional Group Transfer”
Bill Morandi (Swiss Federal Institute of Technology in Zurich, Switzerland
In this presentation, recent developments in synthetic methodology from our group will be discussed. New developments in the area of shuttle catalysis, including applications to feedstock and waste valorization, will be presented. This will be complemented by a discussion of recently developed molecular editing methods, as well as accompanying mechanistic studies.
― バスでホテルパークへ移動,チェックイン ―
19:30~
21:00
レセプション(立食スタイル)
21:00~ミキサー
第2日:9月10日(木)
6:30~   
8:00
朝食
― バスで長良川国際会議場へ移動 ―
A-1
8:30~
9:10
座長: 井川 貴詞(岐阜薬科大学)
「トリプチセンの効率合成法の開拓とそれに立脚した機能性分子の創製」
岩田 隆幸 (大阪大学大学院理学研究科)
トリプチセンはバレレン骨格に3つのベンゼン環が縮環した剛直な3次元分子である。本講演では、イノラートとベンザインの三連続環化付加による1,8,13位置換トリプチセンの位置選択的合成と、その変換による多様なsyn置換体の合成について述べる。さらに、これらのトリプチセンが有する3つの置換基の間に形成される特異な分子空間を活かした、(1)触媒反応場の構築と高回転数カップリング反応への応用、(2)疎水性相互作用空間の構築を利用した脂質分子の凝集制御など、新たな機能性分子の創製について紹介する。
A-2
9:10~
9:50
 座長: 曽根原 順一(キッセイ薬品工業株式会社)
「窒素脱離基を巧みに利用したジスルフィド合成法の開拓」
金本 和也 (東京科学大学総合研究院生体材料工学研究所)
ジスルフィド化合物は様々な分野で重要な化合物群であるが、非対称ジスルフィドの選択的合成には依然として課題が残されている。これに対して我々は、ジスルフィド上に、選択的に変換可能な二種類の脱離基としてアミノ基とイミド基を有する新たな試薬を開発した。本試薬は、酸性条件ではアミノ基側で、中性・塩基性条件ではイミド基側で置換反応を行うことができる。さらに、それぞれの反応点における多彩な変換を開拓し、これらを組み合わせることで、多様な非対称ジスルフィドの新たなモジュラー合成法を確立した。
A-3
9:50~
10:30
 座長: 外山 高志(日本軽金属株式会社)
「高性能ペロブスカイト太陽電池を志向した多脚型電荷回収単分子膜材料の設計と合成」
チョン ミンアン (京都大学化学研究所)
ペロブスカイト太陽電池の高性能な正孔回収単分子膜材料として、導電性電極基板に吸着可能な複数のアンカー基をもつ一連の多脚型分子を開発した。これらの多脚型単分子膜材料では、従来材料とは異なり、基板に対する分子配向およびペロブスカイト層との相互作用を精密に制御することが可能になった。本発表では、分子のデザインからペロブスカイト太陽電池の作製と特性評価について詳細に紹介する。
― 休憩 ―
A-4
10:40~  
11:20
 座長: 岡 夏央(岐阜大学工学部)
計算化学を活用した化学反応の開発戦略と展開」
林  裕樹 (名古屋大学物質科学国際研究センター)
これまでの化学反応開発では、実験化学者の経験的知見や直感に大きく依存したトライアンドエラー型の開発プロセスが主導してきた。しかし、このアプローチでは、往々にして膨大な実験量や、それに伴うエネルギー・コストの浪費、廃棄物の発生などが大きく懸念される。私たちの研究グループでは、この従来型の開発プロセスからの脱却を目指し、量子化学計算をベースとした化学反応の開発戦略を開拓してきた。本講演では、反応経路自動探索技術である人工力誘起反応法(AFIR法)を活用した化学反応の開発アプローチについて紹介する。
A-5
11:20~
12:00
 座長: 塚田 直史(静岡大学理学部)
「パラジウム触媒による多成分連結型の脱芳香族的変換反応の開発」
武藤  慶 (名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所WPI-ITbM))
脱芳香族的変換反応は、入手容易な種々の芳香族化合物から複雑な構造を様々創出できる強力な手法である。しかし、芳香族安定化効果に起因し、芳香環の電子的性質に依存した手法が大半であり、基質一般性や生成物の構造多様性の制限となっていた。本講演では、触媒的なσ結合の切断を反応の起点とし、芳香環のπシステムを活性化する触媒設計に基づく、広範な芳香環を変換可能な、パラジウム触媒による多成分連結型の脱芳香族的変換反応の開発について紹介する。
12:00~
13:30
昼食(お弁当)
13:30~
15:30
ポスターセッション
 ポスター奇数番号(13:30~14:30)
 ポスター偶数番号(14:30~15:30)
― 休憩 ―
Ⅰ-5
15:40~
16:30
座長: 高橋 雅樹(静岡大学工学部)
「Tri-Institutional Therapeutics Discovery InstituteにおけるSoluble Adenylyl Cyclase阻害薬の創薬研究」
伏見  真 (株式会社PRISM BioLab 研究開発部)
創薬において、アカデミアの最先端の基礎研究成果を迅速に医薬品創出へと結びつける産学共同研究は極めて重要であり、その一例としてTri-Institutional Therapeutics Discovery Institute(Tri-I TDI)の取り組みが挙げられる。本講演では、Tri-I TDIにおける産学協働体制の特徴を概説し、soluble adenylyl cyclase(可溶性アデニル酸シクラーゼ、sAC)阻害薬の創薬研究を取り上げる。特に、ヒット化合物からの合成展開について創薬化学の観点から述べるとともに、産学連携がもたらす実践的価値とその進展を紹介する。

表彰式
16:30~
16:40
Lectureship説明・授与: 八谷  巌 (実行委員長,三重大学大学院工学研究科)
L-1
16:40~
17:40
座長: 斎藤 進(名古屋大学大学院理学研究科)
“Novel synthetic methods in photochemistry and photocatalysis”
Daniele Leonori (RWTH Aachen University, Germany)
In this lecture, I will discuss the most recent methodologies developed in my research group that harness photoexcitation to access previously unattainable reactivity patterns and levels of selectivity. Particular emphasis will be placed on how light can alter reaction pathways, enable unconventional bond activations, and provide new opportunities for the efficient synthesis and late-stage modification of structurally complex molecules.
― バスでホテルパークへ移動,チェックイン ―
19:00~
20:00
夕食
20:30~ミキサー
第3日:9月11日(金)

※講演等はホテルパークで実施

6:30~   
8:00
朝食
I-6
9:00~
9:50
座長: 萬代 大樹(岐阜医療科学大学薬学部)
「連続物質変換が拓く資源循環型有機合成化学」
石谷 暖郎(東京大学大学院理学系研究科)
地球環境における資源・エネルギー問題の解決と、持続可能な産業・社会環境の両立という課題を克服するためには、最小の資源から最大の価値を生み出す物質生産法が不可欠である。「有機化合物を造る」ための有機合成化学が、「資源を活かし、効率よく分子を変換する」ための技術に発展していく上で、連続物質変換は重要な概念である。本講演では特に、不均一系触媒フロー化学の展開・炭素循環型有機合成化学への取り組みを紹介したい。
I-7
9:50~
10:40
座長: 井川 貴詞(岐阜薬科大学)
「骨格編集戦略に基づくテルペノイド合成と天然物様小分子空間の開拓」
岩渕 好治(東北大学大学院薬学研究科)
天然物全合成は、標的分子の供給に加え、新しい分子骨格や化学空間を創出する学問へと発展しつつある。本講演では、テルペノイドをモデルとして、ラジカル渡環反応を鍵とする骨格編集戦略により、天然物骨格の再構築と新規骨格創製を実現した研究を紹介する。さらに、生合成に着想を得た骨格変換を通じて、天然物様小分子空間を拡張する考え方と、その創薬化学への展開について、有機合成化学の新たな可能性として議論したい。
― 休憩 ―
M-2
10:50~
11:50
座長: 青井 啓悟(名古屋大学大学院生命農学研究科)
求電子的分子変換における二つの新たなコンセプト:拡張型極性転換と多価カチオン」
平野 康次(大阪大学大学院工学研究科)
有機合成化学における新手法開発は、アクセス可能なケミカルスペースを拡張する意味で分子科学において普遍的に重要である。中でも、分子骨格を構築する結合形成反応は、極めて重要な位置を占める。一般に、求電子性を有する分子と、求核性を有する分子の間では、選択的に結合を生起させることができる。従って、これまでに膨大な数の求電子的ならびに求核的な分子活性化手法が開発されてきている。本講演では、我々の最近の研究成果として、「拡張型極性転換」と「多価カチオン」をコンセプトとした新たな求電子的分子変換手法について紹介したい。
閉会式
11:50~
優秀ポスター表彰式および閉会式 
挨拶  八谷 巌(実行委員長,三重大学大学院工学研究科)