イベント - 協会本部 –
第126回有機合成シンポジウム【開催報告】
- 日時
- 2025年6月26日(木)~27日(金)
- 場所
- 京都大学 医薬系総合研究棟 藤多記念ホールほか
(京都市左京区吉田下阿達町46-29)
[交通] JR京都駅から JR奈良線・東福寺駅経由、京阪電車(鴨東線) 神宮丸太町駅より徒歩8分
【アクセス】、【構内マップ】、【会場まで+会場案内】
- 主催
- 有機合成化学協会
共催:日本化学会、日本薬学会/後援 日本農芸化学会
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開催報告
有機合成シンポジウムは、有機合成化学に関する最新の研究成果が発表される、長い歴史を持つシンポジウムです。年に2回、春と秋に開催されており、今回の第126回シンポジウムは本会関西支部との共同主催により、2025年6月26日(木)・27日(金)の2日間、京都大学医薬系総合研究棟藤多記念ホールにて開催されました。本シンポジウムでは、34件の口頭発表と28件のポスター発表に加え、2024年度企業冠賞の受賞講演が2件行われました。200名の参加者が集い、各セッションでは活発な議論が交わされました。
一日目
関西支部長・池田浩先生(阪公大院工)の開会挨拶により、シンポジウムが開幕しました。午前・午後にわたり、一般口頭発表18件とポスター発表者によるショートプレゼンテーションが行われ、新たな選択性や反応性を有する新規反応・配位子の開発、生体内ポリマー合成、ユニークな物性を持つ化合物の創製、独自アプローチによる全合成研究など、多彩なテーマが紹介されました。各発表後には活発な質疑応答が交わされ、参加者の理解を深める場となりました。
一日目の締めくくりには、2024年度企業冠賞「日産化学・有機合成新反応/手法賞」の受賞講演として、岡山大学・三浦智也先生をお迎えし「可逆反応と不可逆反応を組み合わせたワンポット反応の開発と機能分子の創成」をテーマにご講演いただきました。金属カルベノイド前駆体を活用した新規ケミストリーの構築と、それを展開して得られた機能性分子の創成など、最先端の研究成果が紹介され、参加者の大きな関心を集めました。
懇親会
初日の発表終了後には、発表者と参加者の交流を目的としたミキサー(懇親会)が開催されました。本会会長・須貝威先生(慶大 名誉教授)のご挨拶に続き、真島和志先生(阪大院薬 特任教授)による乾杯のご発声で懇親会がスタートしました。
教員、企業関係者、研究員、学生など幅広い層の140名近い参加者が集まり、活発な交流が行われ、新たなネットワークの構築に繋がる有意義な場となりました。会場は、下川淳先生(京大院理)の司会進行のもと、終始賑やかな雰囲気に包まれ、時間を忘れるほどの盛り上がりを見せました。最後には、高須清誠先生(京大院薬 教授)による締めの挨拶があり、盛会のうちに懇親会は幕を閉じました。
二日目
午前・午後を通じて、合計16件の一般口頭発表が行われました。反応開発や全合成をはじめ、ユニークな物性を有する化合物の合成、biocatalysis、および動的不斉誘起法に関する研究など、多岐にわたるトピックが紹介されました。昼の時間にはポスターセッションが開催され、28件のポスター発表が行われました。最新の研究成果が発表された会場は終始多くの参加者で賑わい、その熱気は終了時間まで続き、活発な議論が展開されていました。
午後には、2024年度企業冠賞「富士フイルム・機能性材料化学賞」の受賞講演として、東京科学大学・吉沢道人先生をお迎えし、「芳香環カプセルを活用した多機能空間材料の開発」をテーマにご講演いただきました。芳香環カプセルの多岐にわたる特性やその応用法について、非常に興味深いご講演を賜りました。
表彰式と閉会式
本シンポジウムでは、優れたポスター発表を行った学生会員を対象に、「優秀ポスター賞」を授与しています。白熱したポスター発表の中から厳正な審査が行われた結果、今年は3名の学生が選出され、実行委員長である庄司満先生より賞状と副賞が授与されました。
< 優秀ポスター賞(敬称略)>
P-04 山川 一仁(千葉工大院工)
「酸化的環化付加と脱水素的芳香族化によるアルケンからトリアゾリウム塩の合成」
P-25 森 太平(阪大院基礎工)
「レドックス活性エステルを用いたスチレン類の1,2-ジアミノ化反応」
P-27 佐田 ひかり(京大院薬)
「鎖状オリゴペプチドの主鎖N-クロロ化に関する研究」
その後、本会事業委員長である松本隆司先生より閉会の挨拶があり、二日間にわたる本シンポジウムは無事、盛況のうちに幕を閉じました。
◆次回開催のお知らせ
次回、「第127回有機合成シンポジウム」は、2025年11月6日(木)・7日(金)に早稲田大学国際会議場にて開催が予定されています。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。
開催報告: 2025年度事業委員会委員 新谷友輔、佐藤健二郎