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第127回有機合成シンポジウム【開催報告】

日時
2025年11月6日(木)~7日(金)
場所
早稲田大学国際会議場 
[新宿区西早稲田1-20-14]交通 東京メトロ東西線「早稲田駅」下車徒歩10分
主催
有機合成化学協会
共催:日本化学会、日本薬学会、早稲田大学理工学術院総合研究所/後援:日本農芸化学会

 

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開催報告

有機合成シンポジウムは、有機合成化学に関する最新の研究成果が発表される、長い歴史を持つシンポジウムです。年に2回、春と秋に開催されており、今回の第127回シンポジウムは、2025年11月6日(木)・7日(金)の2日間、例年通り早稲田大学国際会議場にて開催されました。本シンポジウムでは、過去10年で最多の248名の参加者が集い、40件の口頭発表と26件のポスター発表に加え、2024年度企業冠賞と有機合成化学協会賞(技術的なもの)の受賞講演が2件行われました。

 

一日目

第127回シンポジウムの一日目は、事業委員長である松本隆司先生(東京薬大)の開会挨拶により始まりました。

 

 

 

午前の部では口頭発表10件が行われ、昼食には新たな試みとしてランチョンセミナー(メルク株式会社協賛;左写真)が行われました。午後にはさらに口頭発表12件の後、26名のポスター発表者によるPosterショートオーラルセッションが行われました。口頭発表では、色素や蛍光分子の開発から、反応開発や天然物合成まで有機合成化学をキーワードとする様々な研究が報告され、活発な議論が繰り広げられました。

 

一日目のセッション締めくくりには、2024年度企業冠賞「東ソー・環境エネルギー賞」の受賞講演として、大阪大学・鷹谷絢先生をお迎えし「環境調和型分子変換を可能にする新触媒開発」をテーマにご講演いただきました。金属-金属結合を有する触媒化学種の創出とその触媒ならではの高効率分子変換、さらには、デッドエンドを乗り越えた最先端の研究成果が紹介され、参加者の大きな関心を集めました。

 

一日目の発表終了後、発表者と参加者の交流を目的としたミキサーが開催されました。本会会長の須貝威先生(慶応大名誉教授)に懇親会の注意事項説明と乾杯のご発声をいただき、教員、企業関係者、研究員、学生の総勢160名の様々な参加者で大いに盛り上がりました。最後は西川俊夫先生(名古屋大)の締めのご挨拶で、盛会のうちに終わりました。その後も、実行委員長の山口潤一郎先生(早稲田大)のご厚意により会は夜遅くまで継続され、多くの参加者がオンラインでは得られない対面でのつながりを存分に楽しむことが出来ました。

 

二日目

1日目に続き、午前・午後を通じて、有機合成化学を基盤とする幅広い分野から合計18件の一般口頭発表が行われました。午後最初にはポスターセッションが開催され、66件のポスター発表が行われました。最新の研究成果が発表された会場は終始多くの参加者で賑わい、その熱気は終了時間まで続き、活発な議論が展開されていました。

 

会の締めくくりは、2024年度有機合成化学協会賞(技術的なもの)の受賞講演として、東京科学大学・中島裕美子先生をお迎えし、「新規ヒドロシリル化触媒の開発および高機能有機ケイ素材料合成への応用」をテーマにご講演いただきました。産学連携によって成し遂げられた様々な有機ケイ素材料合成の研究を紹介され、普段の学会では聞くことのできない非常に興味深いご講演を賜ることができました。

 

表彰式と閉会式

本シンポジウムでは、優れた発表を行った学生会員を対象に、優秀発表賞を授与しています。企業会員8名、アカデミア29名による厳正な審査が行われた結果、今年は1名の最優秀発表賞と6名の優秀発表賞が選出されました。表彰式では実行副委員長である犀川先生(慶應大)より受賞者の発表、また山口先生より賞状と副賞が授与されました。

最優秀発表賞

OP-06 高岡 恭兵(東大院薬)
「トリゴチェリンAの全合成研究」

 

優秀発表賞

OP-31 阿部 一真(東京科学大生命理工)
「鉄触媒を用いた電子不足ジエンへの脂肪族グリニャール反応剤の選択的1,6-付加反応:位置・立体・エナンチオ選択性の制御」

OP-11 佐野 颯(静岡県大院薬)
「ケトンの光触媒作用を用いた脂肪族および芳香族カルボン酸の変換反応の開発」

OP-30 成田 修佑(阪大院工)

「スルフィルイミン置換アミノ-λ3-ヨーダンを活用する求電子的アミノ化の開発と含窒素ヘテロ環合成への展開」

OP-15 大熊 俊輝(北大院総化)

「連続的分子内Diels-Alder反応による4環性飽和カゴ状炭素骨格の合成」

OP-16 樋口 昇吾(神戸大院工)

「ベンゾチエニルトリフルオロボラート触媒によるハロゲンダンスの加速」

OP-32 堀田 陸 [ほった りく](早大院先進理工)

「N-アシル-α-アミノアミドの光触媒的C–N結合開裂反応の開発」

 

最後は山口先生より閉会の挨拶があり、二日間にわたる本シンポジウムは無事、盛況のうちに幕を閉じました。

 

 


次回開催のお知らせ

次回の第128回有機合成シンポジウムは、2026年6月16日(火)~17日(水)に岡山大学 創立五十周年記念館ほかで開催予定です。多くの方々のご参加をお待ちしています。

開催報告: 2025年度事業委員会委員 橋本 卓也