イベント - 協会本部 –
「ニューモダリティと有機合成化学」第2回 公開講演会 終了しました
創薬の世界でモダリティの多様化が進む中で、新しいモダリティの創出・展開に有機合成化学が多面的に重要な役割を果たしています。有機合成化学協会では、2019年に「ニューモダリティと有機合成化学」研究部会を立ち上げ、モダリティを有機合成化学の立場から考え、定期的な講演会や勉強会の開催を通じて会員同士の情報交換、異分野との交流、バイオ関連との連携を進めております。
このたび、高い注目を集めている位置特異的ADC、高機能化薬物・遺伝子キャリア(超分子ナノシステム)、核酸標的低分子創製、そして、今後の医薬品創製における新規モダリティープラットフォーム開発の動向について、4名の講師をお招きして第2回公開講演会を開催いたします。本会会員の皆様だけでなく広い分野の方々のご参加をお待ちしております。
なお、本公開講演会はオンラインでの配信はございませんのでご了承下さい。
プログラム
第Ⅰ部(講演会)
※各講演時間には質疑応答時間を含む・敬称略
13:30~13:35【 開会挨拶 研究部会代表幹事 砂塚敏明(北里大学大村智記念研究所 所長・教授)】
13:35~14:15 講演(1)【座長:辻 尚志(ニイタカ)】
「AJICAP®:位置特異的ADCの次世代化学合成法および安定性付与リンカーの開発」
奥住 竜哉(味の素(株) バイオファーマサービス部 事業開発グループ長)
- ADC(Antibody-Drug Conjugate)は抗体に高活性薬剤をコンジュゲートさせた医薬品であり、ここ数年で上市品の数が急激に増加している。近年、抗体上の特定位置に薬剤がコンジュゲートされた位置特異的ADCは、ランダムに薬物が縮合した既存型ADCと比べ、薬効向上・毒性低減が可能であることが明らかとなってきている。本講演では、当社が開発した位置特異的ADC創出・製造技術 「AJICAP®」における 1)位置特異的ADC合成技術、および、2)安定性付与リンカーの開発について紹介する。
14:20~15:20 講演(2)【座長:中村 浩之(東工大化生研)】
「ナノテクノロジーが拓く未来医療: 体内で薬を運び、作り、操る分子技術の開発」
片岡 一則((公財)川崎市産業振興財団 副理事長/ナノ医療イノベーションセンター・センター長)
- 近年、持続型社会の発展に向け、健康寿命の延伸を目指した体に負担の少ない医療技術の進歩に期待の目が向けられている。この様なQOLの高い医療を実現するために、薬物や遺伝子の体内分布を時間的・空間的に正確に制御する事によって、「必要な時(timing)に、必要な部位(location)で、必要な薬物・遺伝子治療(action)」を最小限の副作用で達成するナノテクノロジーを基盤とした医療(ナノメディシン)に対する関心が高まっているが、この目的を首尾良く達成する為には、ナノスケールで精密設計された高機能化薬物・遺伝子キャリア(超分子ナノシステム)の開発が最重要とも言える課題である。この様なナノシステムとして我々は、両親媒性ブロック共重合体の自己会合に基づいて形成されるナノ構造である高分子ミセルに注目して検討を進めてきた。本講演ではこの高分子ミセルを中心に、体内で薬を運び、作り、操る超分子ナノシステム研究開発の現状と将来展望について紹介する。
15:20~15:35 休憩
15:35~16:35 講演(3)【座長:永次 史(東北大多元研)】
「核酸標的低分子創製の考え方」
中谷 和彦(大阪大学 産業科学研究所 教授)
- 従来のタンパク質に加えて、核酸が改めて創薬標的と認識されている。オリゴ核酸を用いる核酸標的核酸創薬が進むが、創薬企業がもつライブラリ化合物や低分子創薬のノウハウ活用が期待できることから、核酸を低分子で狙う「核酸標的低分子創薬」が注目されている。核酸はタンパク質と比べて、構造の多様性と柔軟性、電荷や水素結合基の分布、構造形成の原動力が大きく異なるため、核酸標的低分子創薬研究の基盤技術の確立が喫緊の課題となっている。本講演では、核酸の特異な構造を標的とする分子創製について、実例を示しながら考え方をお話する。
16:40~17:20 講演(4)【座長:山川 一義(東大院理)】
「医薬品創製における新規モダリティープラットフォーム開発」
山田 尚文(中外製薬(株) 取締役上席執行役員)
- ヒト疾患に関するバイオロジーの進展に伴い、いわゆる“tough target”と呼ばれる新規標的候補分子が数多く同定されている。これらの“tough target”は、低分子医薬品を中心とした既存のモダリティープラットフォームでは創薬が困難であることに加えて、医療ニーズも多様化していることから、新たな新規モダリティープラットフォーム開発の必要性が増している。現在、そして今後の医薬品創製における新規モダリティープラットフォーム開発の動向とそれぞれのモダリティーの特徴について紹介する。
17:20~ 第Ⅰ部閉会挨拶 高尾賢一(本会事業委員長、慶大理工)
第Ⅱ部 (情報交換会(交流会))
17:30頃~19:00: 講演会に続いて、情報交換会(交流会、軽飲食)を開催予定。詳細は決まり次第本HPへ掲載します。
参加費
参加区分 | 会員種別 | 参加費 (消費税含) |
---|---|---|
第Ⅰ部(講演会) | ||
本会会員:企業所属* | 5,000円 | |
本会会員:アカデミア所属 | 3,000円 | |
本会学生会員 | 1,000円 | |
会員外(一般) | 15,000円 | |
会員外(学生) | 2,000円 | |
第Ⅱ部(情報交換会) | 会員種別によらず | 3,000円 |
* 本会の個人会員(普通会員、シニア会員、永年会員、名誉会員)、および本会の法人会員に所属する方
参加申込
以下の専用フォームよりお申込みください。
締切:2023年5月10日(水)※定員に達し次第締め切りとさせていただきます。
送金方法
- 郵便振替( 00100-1-157690 )
- 銀行振込(みずほ銀行神田支店普通預金 NO.1620638 ・公益社団法人有機合成化学協会)
※カナ表記は シャ)ユウキゴウセイカガクキョウカイ です - 参加登録後、速やかに下記あてにお振込みください。
- 振込手数料は、ご負担くださいますようお願い致します。
- ご請求書・領収書をご希望の方は、参加申込フォーム「備考欄」へその旨ご記入ください。
お問合せ
- 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-5 化学会館 内
- 公益社団法人有機合成化学協会「ニューモダリティと有機合成化学」公開講演会係
- TEL.03-3292-7621 / FAX.03-3292-7622
- e-mail:syn.org.chemtokyo.email.ne.jp