イベント - 関東支部 –
【関東支部】2025年度若手研究者のためのセミナー
- 日時
- 2025年8月23日(土) 13:30~16:45
- 場所
- 東京科学大学(湯島) M&Dタワー2F「共用講義室1」 (〒113-0034 東京都文京区湯島1丁目5-45)
[交通]①JR中央線、中央・総武線「御茶ノ水駅(御茶ノ水橋口)」下車、徒歩3分
②東京メトロ丸の内線「御茶ノ水駅」下車、徒歩1分
★アクセスマップ
- 主催
- 主催:有機合成化学協会関東支部
共催:東京科学大学総合研究院生体材料工学研究所
プログラム
13:30 開会挨拶
講演①13:35~14:05 座長:鈴木 雅士(東大薬創薬機構)
「酸素原子ドープドキノリンオリゴマー群の合成と多座配位子としての機能開拓」
(慶應義塾大学薬学部 助教)小林 透威
本講演では、酸素原子をリンカーとして組み込んだキノリンオリゴマー群の設計・合成法と、それらが示す特異な構造・電子特性について紹介します。特に、大環状構造が創出する空間的・電子的効果を活かした多座配位子としての応用展開に焦点を当て、遷移金属との錯形成能や、光物性、超分子会合挙動、さらには、触媒機能、について、多面的な機能開拓について紹介します。
講演②14:10~14:40 座長:沓村 憲樹(筑波大数理物質)
「可視光アンテナリガンドによるサマリウム触媒光還元反応の開発」
(千葉大学国際高等研究基幹/大学院薬学研究院 特任助教)栗原 崇人
ヨウ化サマリウム(SmI2)に代表される二価サマリウムは、穏和な条件下でも優れた還元能を示し、一電子還元剤として汎用される。一方で、二価サマリウムは一般に化学量論量以上の試薬量が必要とされ、その触媒利用はチャレンジングな研究課題である。近年、我々はサマリウムの近傍で光を吸収する「可視光アンテナリガンド」を設計することで、サマリウム触媒を用いた光還元反応の開発に成功した。本講演では、発見の経緯から最近取り組んでいる研究内容まで紹介したい。
講演③14:45~15:15 座長:熊田 佳菜子(産総研)
「ボロン酸エステルを鋳型とした近接効果促進型トリアゾール形成反応の開発」
(東京科学大学総合研究院生体材料工学研究所 助教)田口 純平
アジドとアルキン間のトリアゾール形成反応は、銅触媒の添加や中員環アルキンの使用によって促進され、温和な条件下で迅速に進行するクリック反応として広く利用されている。今回我々は、第三の反応促進法として、近接効果を利用した新たな反応系の開発に取り組んだ。その結果、ボリル基を有するアジドとジオール部位を有するアルキンを用いることで、可逆的なボロン酸エステル形成によりアジドとアルキンが近接し、トリアゾール形成が促進されることを見出した。本講演では、本反応の機構解析、反応性向上の取り組みについて発表する。
休憩(10分)
講演④15:30~16:00 座長:穴田 仁洋(武蔵野大薬)
「2,3-ビスシリルシクロプロパノンと多重結合化合物の環化付加反応の開発」
(明治薬科大学薬学部 助教)大類 彩
シクロプロパノンは魅力的な合成素子であるが、光や熱に不安定であるため取り扱いにくい。一方で、2,3-ビスシリルシクロプロパノンは安定に単離できる化合物であることから有用なビルディングブロックとして期待されているが、これを利用した骨格変換反応は2例にとどまっている。そこで我々は、2,3-ビスシリルシクロプロパノンの潜在的有用性を明らかにすべく、多重結合化合物を用いてニッケル触媒による[3+2+2]付加環化反応の開発を行ったので詳細を報告する。
講演⑤16:05~16:35 座長:齋藤 望(明治薬大)
「ビタミンDとフッ素」
(東京理科大学理学部第二部化学科 助教)川越 文裕
ビタミンD3の代謝活性化と不活性化に関与する側鎖部にフッ素が導入された誘導体の網羅的合成と生物活性評価を実施した。その結果、フッ素の導入位置や数、立体化学の違いがビタミンD活性に著しい影響を与えることを見出した。さらに本知見を基盤として、A環部2位を修飾した誘導体の側鎖フッ素化体を合成したところ、取得した化合物ライブラリーの中から既存のビタミンD医薬品よりも高い活性をもつ誘導体の取得や、ビタミンD受容体(VDR)を介さずに発現する非ホルモン様作用の発見に至っており、今後の創薬への応用が期待される。
16:40 閉会挨拶
☆懇親会17:15~19:00
会場:明治大学アカデミーコモン1F「カフェパンセ」
(講演会場から徒歩8分;セミナー委員が会場から誘導します)
定員・参加費
定員:90名
セミナー参加費(会員・会員外問わず):無料
懇親会参加費:参加希望の方。(一般)3,000円、(学生)2,000円
支払方法:当日現金のみ(領収書を発行いたします)
参加申込
※事前予約制・申込締切日:8月15日(金)
問合せ先
- 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-5化学会館
- 公益社団法人有機合成化学協会「関東支部若手セミナー係」
- TEL.03-3292-7621
- e-mail:syn.org.chem@tokyo.email.ne.jp