イベント - 協会本部 –
2024年度 有機合成化学講習会 終了しました
- 日時
- 2024年12月5日(木)13:00~19:30 (情報交換・交流会 18:00~19:30)
- 場所
- ワイム貸会議室お茶の水 Room B
(東京都千代田区神田駿河台2-1-20 御茶ノ水安田ビル 4F)
〔交通〕JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅 御茶ノ水橋口 徒歩2分
- 主催
- 有機合成化学協会
共催:日本化学会、日本薬学会/後援:日本農芸化学会
テーマ 「企業における有機合成化学:理念・製品化・ブレークスルー」
有機合成化学講習会は、有機合成の基礎から最新の知見までを“講義”というスタイルで提供するユニークなイベントとして長く親しまれてきました。特に企業会員にとっては、最新情報を深く学べる機会として重宝されてきました。
コロナ禍を経てここ数年は分野を絞り、より深く情報提供を行うスタイルを取ってきましたが、今年度は有機合成化学を深く学ぶというところは大切にしつつ、視点を少し変えて、「有機合成化学がいかにして製品化や高収益化に結びついているのか?」、「企業はどのような理念で研究に挑み、困難を克服しているのか?」ということについて産業界側から情報提供を行い、企業間そしてアカデミアとの深いコミュニケーションを実現したいと考えています。また、若手から中堅の企業会員にとっては、現在の研究に直結する貴重なヒントや、困難に立ち向かう勇気、そして成功への心構えが得られるのではないかと期待しています。
講演につきましては「創薬」、「プロセス化学」、「材料開発」、「バイオ関連」の各分野からお願いしました。講演会後には交流会も企画しておりますので、より深いコミュニケーションからネットワークを広げる場としてご活用いただけると考えています。多数の参加申し込みを心よりお待ちしております。
プログラム
〔各講義とも質疑応答含め60分〕
13:00~13:05 開会挨拶 本会事業委員長 三谷 晃(日本曹達株式会社)
13:05~14:05 講演(1)
三谷 晃 先生(日本曹達株式会社 執行役員 研究開発本部長)
「新農薬開発を目指した戦い」
- 新農薬の開発研究では、様々な困難が待ち受けています。特に近年はより安全性が高く、環境負荷の少ない農薬のニーズが高まり、創薬の確率も大きく低下しているのが現状です。「新たな価値を化学の力で創造し、サステナブルな社会の実現に貢献する」をビジョンに掲げ、世界の食糧生産を支え、食の安定供給に貢献したいという思いを胸に秘め、待ち受ける様々な困難に立ち向かっています。ここ10年で開発した新農薬3剤を例に、どのような困難が立ちはだかり、どのようにブレイクスルーを見出し、開発に繋げられたのかを紹介したいと思います。
14:10~15:10 講演(2)
前田 賢二 先生(中外製薬株式会社 製薬研究部長)
「低中分子医薬品開発におけるプロセス化学の役割と挑戦」
- 製薬企業のプロセス化学者は、合成経路の最適化やスケールアップだけでなく、治験薬の迅速な供給、コスト削減、品質管理、環境保護など、究極の生産プロセスの確立が求められます。低分子医薬品であるアレセンサは、当社の重要なグローバル製品に成長しましたが、これまで培ってきたプロセス化学の力を結集し、短期間で製造方法を開発、上市後の急増する需要にも対応しました。
また、当社では中分子医薬品の開発にも力を入れており、非天然アミノ酸を主体とする独自の環状ペプチドのプロセス開発に取り組んでいます。低コストで大量供給を実現するためには、通常のペプチド医薬品とは異なる新しい技術開発が必要となりました。
これらの事例を通じて、製薬企業におけるプロセス化学の役割と挑戦についてご紹介致します。
(休憩)
15:25~16:25 講演(3)
大野 充 先生(株式会社ダイセル 研究開発本部 事業創出センター フェロー)
「半導体レジスト材料 セルグラフィー(R) の開発と工業化、そしてさらなる分子設計への取り組み」
- 機能材料開発の事例として、半導体回路製造に使用されるArF・EUVレジストのベースポリマー「セルグラフィー (R)」の開発と工業化を取り上げる。ダイセルグループは「価値共創によって人々を幸せにする会社」という基本理念を掲げている。講演では、当社内での複数の技術分野の連携による価値提供に着目し、製品の事業化までの経緯を紹介する。また、材料の機能を化学構造に翻訳する分子設計や、工業化の課題克服に必要な原理原則を理解する上での有機合成技術の役割、さらに新たな材料開発手法であるマテリアルズインフォマティクスの活用における有機合成化学の活用にも言及する。
16:30~17:30 講演(4)
髙橋 大輔 先生(味の素株式会社 東海事業所 エグゼクティブスペシャリスト)
「ペプチド・オリゴ核酸医薬の効率的製法AJIPHASE®技術の開発とCDMOとしての事業領域開発」
- 低分子医薬から抗体など高分子医薬、そして、近年は中分子医薬へ潮流が起こり、ペプチドや核酸をモダリティーとした創薬活動がさらに世界で活発化している。ペプチド医薬は抗肥満薬の爆発的な流行によりGLP-1アナログに注目が集まっている。一方、核酸医薬は世界で20の上市薬を数える程度はあるが、開発パイプラインは増加の一途をたどっている。これらの状況から、ペプチドや核酸など中分子医薬品を大量、且つ、効率的に合成する技術がより強く求められることは言うまでもない。
その合成方法の殆どは固相法が用いられているが、演者らは有機合成化学者には馴染みの深い、液相合成を用いて中分子医薬が合成できる効率的手法AJIPHASE®技術を創出した。本発表ではこの技術開発、そして、世界で求められる事業への発展を述べる。
(移動と準備)
18:00~19:25 情報交換・交流会
情報交換・交流会 (立食形式を予定)
19:25~19:30 閉会のことば
本会事業委員会副委員長 松本 隆司(東京薬科大学薬学部)
申込方法
以下の専用フォームよりお申込みください。
申込定員:60名(先着順)
申込締切:11月28日(木) ※締切日を変更しました
受講料(税込み)
区分 | 一般(個人会員・法人会員) | 学生(研究生除く) | |
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企業所属 | 学校・官公庁職員・研究生 | ||
主催・共催会員 [*1] | 18,000円 | 14,000円 | 8,000円 |
会員以外 | 28,000円 | 21,000円 | 15,000円 |
本会シニア会員 [*2] | 10,000円(66歳以上の有機合成化学協会・個人会員) | — |
※受講料には、情報交換・交流会への参加費を含む。
*1) 本会の個人会員、本会法人会員に所属する方 と、共催・後援の各学会の個人会員 がこの区分です
*2) 66歳以上の有機合成化学協会・個人会員
申込締切日以降にキャンセルを申し出られても受講料のご返金ができかねますのでご注意下さい。
申込先・問合せ先
- 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-5
- 公益社団法人有機合成化学協会
- TEL.03-3292-7621
- e-mail:ssocj-eventssocj.or.jp