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第112回有機合成シンポジウム2017年【秋】[開催報告]  終了しました

日時
平成29年12月6日(水)~7日(木)
場所
12月6日:早稲田大学国際会議場
12月7日:早稲田大学大隈記念講堂・大講堂
主催
有機合成化学協会、共催:日本化学会、日本薬学会、日本農芸化学会、後援:早稲田大学理工学研究所
プログラム
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開催報告

有機合成シンポジウムは春季と秋季の年2回開催される学会であり、有機合成化学を中心とした最先端の研究成果を報告する場です。第112回を迎えた今回は12月6日~7日に早稲田大学(一日目:国際会議場、二日目:大隈記念講堂)にて開催されました。本シンポジウム特有の洗練された口頭発表だけではなく、秋季ではポスターセッションに特徴があり、口頭発表者も含めた全発表者によるポスターセッションが行われました。
一日目
一日目は新規反応開発や天然物合成に関する研究成果に関して、28演題の口頭発表が行われました。各演題とも白熱したディスカッションが交わされ、まるで有機合成のエネルギーが会場中を包みこんでいるように感じられました。国内で最先端の研究成果について触れることができるため、聴講者にとっては大きな刺激となり、また、収穫の場となったものと思われます。
ミキサー
一日目のセッションの終了後に、発表者と参加者の交流を目的としたミキサーが開催されました。本会会長の吉田潤一先生(京都大)から、ご挨拶及び乾杯の発声を頂き、有機合成化学協会もAI等の新しい挑戦を始めていることが紹介されました。短い時間ではありましたが、演者を囲んで質問をする人や、久しぶりに再会した人同士で交流する人など、飲んで食べて大いに盛り上がりました。最後に、司会の草間博之先生(学習院大)の挨拶で、ミキサーは終了となりました。
二日目
前日の国際会議場から、大隈記念講堂に場所を移して行われました。重要文化財の荘厳な会場で、発表者は普段よりも幾らか緊張していたようでしたが、貴重な経験になりました。口頭発表のセッションの後、ポスター発表者によるポスター発表のショートレクチャー(2分/件)が行われました。それぞれ簡潔に研究成果がまとめられており、短い時間で分かり易く説明する工夫がされていました。ポスターセッションは、参加者が発表者と直接話のできる場であり、熱い議論で熱気に包まれていました。

 

受賞講演

平成28年度有機合成化学協会・企業冠賞受賞講演:第一三共「創薬有機化学賞」
「高次構造を有するフラボノイド系ポリフェノールの合成研究と機能開拓」
(東工大理)大森 建
平成28年度有機合成化学協会・企業冠賞受賞講演:日産化学「有機合成新反応/手法賞」
「イミダゾリン、イミダゾリジン、そしてアミノフェノール:不斉触媒の探索と設計」
(千葉大院理)荒井 孝義
平成28年度有機合成化学協会・企業冠賞受賞講演:富士フィルム「機能性材料化学賞」
「機械的刺激を感知する分子ドミノ相転移型発光性金錯体」
(北大院工)伊藤 肇

大森先生からは、フラボノイドのモノマー、オリゴマー、ポリマーを精密に合成するエレガントな手法を解説して頂きました。できた化合物の生物活性等への展開も検討しているということで、今後の展開が気になる内容でした。
荒井先生には、触媒を非常に簡便にスクリーニングする手法の開発から、この手法を用いて、様々な化合物を合成された内容までお話し頂きました。ユニークな複雑分子が次々と合成されており、聴衆を圧倒するような講演で、ますますこの研究の発展が期待されました。
伊藤先生は、ご自身の研究内容である反応開発と機能材料への展開のうち、後者のお話をたっぷりと紹介頂きました。機械的刺激を感知して、結晶の発光挙動が変わったり、動いたりという非常に興味深い現象を、動画で目の当りにすることができ、驚きと共に有機化学のさらなる可能性を感じました。

ポスター発表

本シンポジウムでは、優秀なポスター発表を行った学生会員に対し「優秀ポスター賞」を設定しています。今回もシンポジウムの最後の閉会式で、以下の4名の学生さんに実行委員長・細川誠二郎先生(早大理工)から賞が授与されました。受賞されたみなさんは、是非とも今後の励みにしていただきたいと思います。

 

  • ・「有機触媒による金属を用いない可視光ペルフルオロアルキル化反応の開発」
    (お茶女大院人間文化創成)〇重永皐月、池上真子、矢島知子
  • ・「ハロゲン結合によるヨードニウムイリドの活性化を基盤とした新規炭素- 炭素結合形成反応の開発」
    (京大院薬、産総研)〇斉藤真人、小林祐輔、都築誠二、竹本佳司
  • ・「ベニバナの赤色色素カルタミンの不斉全合成」
    (東工大理)〇浅見幸平、林 大貴、大森 建、鈴木啓介
  • ・「内部アルキン部位を有するアラインの分子内環化付加反応による多環芳香族化合物の簡便合成法の開発」
    (東京医歯大生材研、九大先導研)◯清水敬太、内田圭祐、陌間由貴、井川和宣、友岡克彦、吉田 優、細谷孝充

表彰式の後、閉会の辞が述べられ、今年も本シンポジウムは成功裏に終了しました。
次回の有機合成シンポジウムは6月6日、7日の両日で(第113回有機合成シンポジウム・名古屋大学坂田・平田ホールにおいて)開催を予定しています。多くの方の参加をお待ちしております。

<シンポジウム事業委員>(大正製薬) 小橋陽平、(旭硝子) 三宅徳顕