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第114 回有機合成シンポジウム2018年【開催報告】  終了しました

日時
平成30年11月6日(火)~7日(水)【終了】
場所
早稲田大学国際会議場
[新宿区西早稲田1-20-14]
交通 東京メトロ東西線「早稲田駅」下車徒歩10分
主催
有機合成化学協会
共催 日本化学会、日本薬学会、
協賛 日本農芸化学会
後援 早稲田大学理工学術院総合研究所

開催報告

有機合成シンポジウムは春季と秋季の年2回開催される学会であり、有機合成化学を中心とした最先端の研究成果を報告する場です。第114回を迎えた今回は、11月6日~7日に早稲田大学 国際会議場にて開催されました。秋季シンポジウムは、本シンポジウムの特徴である洗練された口頭発表だけでなく、口頭発表者も含めた全発表者によるポスターセッションが企画されており、両日を通して活発な議論が行われました。

一日目

一日目は新規反応開発や天然物合成、触媒設計、ケミカルバイオロジー、物性制御など、幅広い分野の研究成果に関して、28の口頭発表が行われ、有機合成の奥深さ、応用範囲の広さを感じられる一日となりました。各演題とも、新しいケミストリーに果敢に挑戦し続けた成果であり、研究の内容だけでなく、その姿勢や熱意も聴講された方々にとって大きな刺激になったのではないかと思います。
また、一日目のセッションの終了後に、発表者と参加者の交流を目的としたミキサーが開催されました。本会副会長などを歴任された只野金一先生(乙卯研)から、ご挨拶及び乾杯の発声を頂き、演者を囲んで大いに盛り上がりました。こうした交流を通じて、新たなアイデアが生まれ、次世代の研究者が育っていくことを願いつつシンポジウム一日目は終了となりました。

二日目

二日目はオーラルセッション、ポスターショートオーラル、ポスター発表、企業冠賞受賞講演3件と多くの発表・講演が行われました。口頭発表では、基盤となり得る触媒反応から全合成、フローケミストリーまで幅広く様々な研究内容が発表されました。
ポスター発表では、活発に議論が行われ、担当時間が終了しても発表者がきちんと質疑応答する必要があるほど、非常に活気がありました。受賞講演では先生方の研究に対する熱意や面白さを感じられる素晴らしい講演を頂きました。

【富士フイルム・機能性材料化学賞】「大環状芳香族分子を活用した多能材料開発」
磯部寛之(東大院理)


磯部先生の講演では、シンプルな構造(ベンゼン、トルエン、ナフタレン)しか登場しない講演でありましたが、シンプルな疑問から生まれたものが最先端の材料になる、基礎研究がそのまま応用研究になるといった講演をいただき、全固体電池への展開等、有機材料のさらなる可能性を垣間見ることが出来た講演でした。

【第一三共・創薬有機化学賞】「有機イオン対触媒の設計と機能創出」
大井貴史(名大トランスフォーマティブ生命分子研/院工)

大井先生は有機イオン対にこだわり、その設計と機能について詳細に検討した研究について過去から最新の研究まで講演頂きました。「構造あるイオン対」として適切な形を与えることにより、分子性触媒としての機能を引き出すといった新しい方法論を提示し、ユニークな研究講演でした。

【日産化学・有機合成新反応/手法賞】「イリジウムならびにロジウム触媒を駆使した効率的分子変換法の創出」
柴田高範(早大理工)

柴田先生にはIrやRhといった遷移金属触媒を駆使したユニークかつ効率的な分子変換法について講演頂きました。アイディアドリブンの研究から始まり、その中から偶然(セレンディピティ)に発見したものをさらに深堀しIrやRh触媒の可能性を十二分に引き出し興味深い分子の創成に関する講演を頂きました。対称性の高い生成物の構造解析が非常に難しそうである点をいかに克服しているかは個人的にも非常に興味深い内容でした。

ポスター発表【優秀ポスター賞受賞者一覧=以下の5名に授与】

本シンポジウムでは、優秀なポスター発表を行った学生会員に対し「優秀ポスター賞」を設定しています。今回もシンポジウムの最後の閉会式で、以下の5名の学生の方に実行委員長の山口潤一郎先生(早大)から賞が授与されました。受賞されたみなさんは、これを励みに、今後ますます活躍していただきたいと思います。

 

  • O- 15.マンガン(II)錯体を触媒とするアミド化合物のエステル化反応
    (阪大院基礎工)◯平井崇裕、加藤大樹、相馬秀成、明比慎也、長江春樹、真島和志
  • O- 17.抗生物質ビネオマイシンA1の全合成および構造活性相関研究
    (慶大理工)◯松本優香、舩越桃子、菅野優子、栗木甫、小林巧、高橋大介、戸嶋一敦
  • O- 21.累積二重連結型フラバンオリゴマーの合成研究(東工大理)◯武田梨花子、野口柚華、鈴木啓介、大森建
  • O- 35.光レドックス触媒とHAT 触媒の協奏的触媒系によるアルキルアミン類の選択的C–H 変換反応の開発
    (静岡県大薬)◯藤田将司、井出貴文、小林史尚、江上寛通、濱島義隆
  • P- 09.芳香族カルボン酸誘導体の脱カルボニル型炭素-ヘテロ元素結合形成反応
    (早大院先進理工)◯一色遼大、石飛耕太、淺原光太郎、武藤慶、山口潤一郎

2018年度事業委員会委員
三菱ケミカル:大谷鷹士、味の素:杉木 正之