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第123回有機合成シンポジウム【開催報告】  終了しました

日時
2023年11月7日(火)~8日(水)
場所
早稲田大学国際会議場
主催
有機合成化学協会
共催:日本化学会、日本薬学会、早稲田大学理工学術院総合研究所/後援:日本農芸化学会
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開催報告

有機合成化学シンポジウムは、春と秋の2回、有機合成化学に関する最先端の研究成果が報告されます。秋のシンポジウムは例年早稲田大学国際会議場にて、11月に行われます。昨年度の秋から対面開催が実現しましたが、今回はマスク着用や人数の制限も無く開催することができ、念願の懇親会も行われました。

11月7日~8日の2日間にわたってオーラル&ポスター発表32件(学生28件)、ポスターのみ発表14件(学生14件)、合わせて46件の発表が行われました。また、150名を超える参加者が2日間朝から夜遅くまで熱い議論を交わしました。

 

◆一日目

事業委員長の高尾賢一先生の開会挨拶から始まった第123回シンポジウム一日目は、午前の部では口頭発表7件、午後は口頭発表14件ののち、ポスターのみ発表者によるショートプレゼンテーション14件が行われ18時近くまで密度の高い内容となりました。口頭発表は、リン、硫黄、酸化度の高い含窒素化合物などを用いたユニークな反応開発や全合成への適用など幅広い研究が発表されました。特に短寿命の化学種を利用した合成や軸不斉制御の新しい展開が目立ちました。

 

 

 

 

 

 

= ミキサー(懇親会)=

夕方から4年ぶりの懇親会も開催されました。事業委員長の高尾賢一先生のご挨拶の後、大阪大学 南方聖司先生の乾杯のご発声をいただき100人を超える参加者で多いに盛り上がりました。参加者は教員、企業関係者、研究員、学生と幅広く、久しぶりの対面の良さを噛みしめながら新たなネットワークを作る良い機会となりました。実行委員長の山口が中締め後も、多くの参加者は遅くまで活発な交流を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

◆二日目

午前の部では口頭発表8件、午後は口頭発表3件ののち、口頭発表の演題も含めた全46件のポスターセッションが行われました。口頭発表は金属や放射線同位体を含む化合物や稀有な骨格をもつ化合物の変換などバラエティーに富んだ内容であり、議論は尽きぬままポスターセッションでも活発な交流が行われました。今回はようやく2019年以前と同様のface to faceのポスターが実現し、大変賑わいました。

 

◆特別講演

本シンポジウムはすべて発表者の申込制ですが、今回初の試みとして特別講演枠を1つ設けました。記念すべき1回目は、大阪大学 鳶巣守先生に「新反応開発:結合活性化から原子挿入まで」という題目でご講演いただきました。炭素-フッ素結合や炭素-ケイ素結合を活性化し、それらの間に炭素骨格を導入する反応や、NHCを用いた1炭素原子挿入反応など、まさに強烈なインパクトのある反応開発を丁寧にお話いただきました。

 

◆表彰式&閉会式

本シンポジウムでは、優秀なポスター発表を行った学生会員に対し、「優秀ポスター賞」を授与しています。シンポジウムの最後の閉会式で、副実行委員長の犀川より、受賞者の発表を行いました。その後、以下5名の学生の方に山口から表彰状と副賞を授与しました。

= 優秀発表賞 [発表番号順] =

・O-10  山村 志悟(大阪大学大学院工学研究科)
N-アリールピラゾールを開始剤とするアラインの精密重合」

・O-12  杉山 孟(大阪大学大学院工学研究科)
N-ハロスルホンアミドによるα,β-不飽和カルボニル化合物の立体特異的ジアミノ化」

・O-13  入江 祐衣(名古屋大学大学院創薬科学研究科)
「メログニンの合成研究」

・O-23  宮﨑 龍也(早稲田大学大学院先進理工学研究科)
「新規5,5-縮環ヘテロ芳香環ビルディングブロックの開発」

・O-28  竹邊 日和(京都大学大学院工学研究科)
「Cuneaneの分子編集」

表彰式の後、山口より閉会の挨拶を行い、本シンポジウムは盛会のうちに幕を閉じました。

次回の第124回有機合成シンポジウムは、2024年6月27日(木)、28日(金)に北海道大学で開催予定です。多くの方々の参加をお待ちしています。

開催報告:2023年度事業委員会委員
山口潤一郎、犀川陽子