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第128回有機合成シンポジウム【開催報告】

日時
2026年6月16日(火)~17日(水)
場所
岡山大学(津島キャンパス)創立五十周年記念館ほか 会場へのアクセス
[岡山市北区津島中1-1-1]
交通: JR岡山駅からバスまたはタクシー
主催
主催:有機合成化学協会
共催:日本薬学会/協賛:日本化学会/後援:日本農芸化学会
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開催報告

有機合成シンポジウムは、有機合成化学に関する最新の研究成果が発表される、長い歴史を持つシンポジウムです。年に2回、春と秋に開催されており、今回の第128回シンポジウムは、2026年6月16日(火)・17日(水)の2日間、2017年以来9年ぶりとなる岡山大学での開催として津島キャンパスの創立五十周年記念館にて行われました。本シンポジウムでは、九州から東北まで約190名の参加者が集い、27件の口頭発表と58件のポスター発表に加え、2025年度企業冠賞受賞講演が2件行われました。

 

一日目

第128回シンポジウムの一日目は、中国・四国支部長である灰野岳晴先生(広島大)の開会挨拶により始まりました。

午前の部では口頭発表5件、午後の部ではさらに口頭発表12件が行われました。口頭発表では、光反応や電気化学を含んだ反応開発から天然物合成まで、有機合成化学をキーワードとする様々な研究が報告され、活発な議論が繰り広げられました。

 

一日目のセッションの締めくくりには、2025年度企業冠賞「日産化学・有機合成新反応/手法賞」の受賞講演として、山下恭弘先生(東京大学)による「高機能ブレンステッド塩基触媒系を用いる原子効率的分子骨格構築反応の開発」が行われました。長年にわたる強塩基触媒によるプロトン移動触媒反応の開発についてお話しいただいた後、最近の話題として、塩基触媒と対をなす、フォトレドックス触媒を組み入れた水素移動反応系の展開についてもご紹介いただきました。

 

一日目の発表終了後、発表者と参加者の交流を目的とした懇親会が開催されました。灰野先生と菅誠治先生(岡山大、写真左)から、ご挨拶を兼ねて中国・四国支部や岡山大学の歴史についてお話しいただいた後、須貝威先生(本会会長、慶應義塾大学名誉教授、写真右)に乾杯のご発声をいただき開会しました。教員、企業関係者、研究員、学生の総勢およそ90名の様々な参加者で大いに盛り上がり、盛会のうちに終わりました。その後も、岡山大学の先生方のご厚意により場所を変えて会は夜遅くまで継続され、多くの参加者がオンラインでは得られない対面でのつながりを存分に楽しむことができました。

 

二日目

一日目に続き、午前・午後を通じて、複雑な天然物の合成に始まりπ拡張分子の化学まで、有機合成化学の幅広さを実感できる合計10件の一般口頭発表が行われました。

 

午前最後にはポスター発表者58名によるショートプレゼンテーションが行われ、昼食をはさんだ午後最初にはポスターセッションが開催されました。最新の研究成果が発表された会場は終始多くの参加者で賑わい、その熱気は終了時間まで続き、活発な議論が展開されていました。

 

ポスター発表の後は、2025年度企業冠賞「東ソー・環境エネルギー賞」の受賞講演として、布施新一郎先生(名古屋大学)による「低環境負荷・省エネルギー型のフローペプチド合成技術の開発」が行われました。いかにして反応活性種を迅速に捉えるかがペプチド結合生成の成否を決めること、その実現に向けてフロー技術が強力なツールであることを、具体的なペプチド合成をもとにお話しいただきました。

 

表彰式と閉会式

会の締めくくりには表彰式・閉会式が行われました。本シンポジウムでは、優れたポスター発表を行った学生会員を対象に、優秀ポスター賞を授与しています。企業会員とアカデミア会員計50名による厳正な審査により6名の受賞者が決定し、表彰は庄司満先生(横浜薬大、本会事業委員・シンポジウム実行委員長)により行われました。

 

優秀ポスター賞

P-11 真野 友希(東京理科大院先進工)
「共役付加駆動型アジド-ジアゾ変換によるα-ジアゾエステル合成法」

P-19 吉森 悠飛(九大院薬)
「多点相互作用型EDA錯体を用いた可視光照射によるアリールラジカルの発生」

P-31 大西 一碧(岡山大院環境生命自然)
N-ニトロソアミンの1,4-ニトロソ転位を経る2-イソオキサゾリンの合成」

P-38 宮城 千里(広島大院先進理工)
「レゾルシンアレーンキャビタンドの自己集合により生じる超分子カプセルのマンデル酸を用いた不斉誘導」

P-39 西原 蒼(岡山大院環境生命自然)
「CO2から調製したギ酸シリルエステルを用いる芳香族アルデヒドの合成」

P-49 岩城 滉佑(岡山大院環境生命自然)
「トリプタミンへの脱酸素的CO2固定化を経るスピロ化合物のワンポット合成」

[左から] 庄司実行委員長、受賞者の皆さん(番号順)、実行副委員長の吉田優先生(東理大、本会事業委員)

 

続いて山口潤一郎先生(早稲田大、写真左)より、今年度11月5、6日に開催予定の第129回有機合成シンポジウムについてご案内をいただきました。

閉会挨拶は釣谷孝之先生(塩野義製薬、本会事業委員長、写真右)により行われ、二日間にわたる本シンポジウムは無事、盛況のうちに幕を閉じました。

 


次回開催のお知らせ

次回の第129回有機合成シンポジウムは、2026年11月5日(木)~6日(金)に早稲田大学国際会議場で開催予定です。多くの方々のご参加をお待ちしています。

開催報告:2026年度事業委員会委員 橋本 卓也