イベント - 協会本部 –
【研究部会員限定】「ニューモダリティと有機合成化学」 第7回勉強会<オンライン> 終了しました
- 日時
- 2022年8月26日(水)14:00~17:00
- 場所
- 方 法: Zoomによるオンライン形式(※研究部会員限定)
- 主催
- 有機合成化学協会
創薬の世界でモダリティの多様化が進む中で、新しいモダリティの創出・展開に有機合成化学が多面的に重要な役割を果たしています。今回の勉強会では、Drug Targetingに焦点を当て、それぞれの分野で創薬の最先端の研究をリードする3名の講師の方をお招きし、「疾患に対抗するオートファジー」「アスタチン-211核医学治療薬の開発」「タンパク質工学を用いた特定部位の免疫調節」についてご講演頂きます。研究部会員の皆様のご参加をお待ちしております。
※本勉強会は「ニューモダリティと有機合成化学」研究部会員限定です。
※本会年会費及び、研究部会費の未納がある場合は、ご視聴いただけませんのでご注意ください。
※部会員資格は2022年1月~12月の一年となります。
※期間限定で(公開から1か月を予定)講演と質疑応答の録画を公開予定(ただし、有本先生のご講演・質疑応答は、当日のZoom配信のみの予定)
プログラム
14:00~14:05【 開会挨拶 研究部会代表幹事 砂塚敏明(北里大学大村智記念研究所 所長・教授)】
※各講演50分(質疑応答含)/敬称略
① 14:05~14:55 【座長:石川 稔(部会幹事、東北大院生命科学)】
「疾患に対抗するオートファジー」
有本 博一(東北大学大学院生命科学研究科・教授)
- PROTACsなどのデグレーダーは、創薬の現場で市民権を得た新規モダリティーである。従来のデグレーダーは、プロテアソーム分解を利用しているため、タンパク質以外の生体分子、オルガネラや病原体の細胞内の構造体を分解することはできない。演者は抗菌オートファジー研究の過程で、低分子量のタグ「グアニル化」が選択性に関与することを発見し、これを元に新規デグレーダーAUTACs (Autophagy-targeting chimera)を生み出した。タンパク質分解に加え、機能不全ミトコンドリアを除去するユニークな機能を有しているAUTAC技術について詳しく紹介するとともに、なぜオートファジー基盤のデグレーダーがPROTACに20年も遅れて登場せざるを得なかったのか、その背景を交えて解説する。
(※有本先生のご講演・質疑応答は、当日のZoom配信のみを予定)
② 14:55~15:45 【座長:眞鍋 史乃(部会幹事、星薬科大学薬学部)】
「大阪大学におけるアスタチン-211核医学治療薬の開発」
深瀬 浩一(大阪大学大学院理学研究科・教授)
- 核医学治療は、分子標的薬に短寿命放射性核種を導入した治療薬を用い、がん細胞に特異的に治療薬を取り込ませて、放射線を体内から照射してがん細胞を殺傷する治療法である。アルファ線は、高エネルギーであるので治療効果が高く、一方で短飛程であるために周囲の正常細胞に影響しないという特徴を有する。大阪大学は、ハロゲン核種であるアスタチン-211(211At:半減期7.2 h)に着目して核医学治療研究を進め、2022年に難治性甲状腺がん治療薬Na211Atの医師主導治験を開始した。α線核医学治療薬開発の戦略と現状について、がん特異的アミノ酸トランスポーター基質など複数のパイプラインを例に紹介する。
※ 休憩 (約10分)15:45~15:55
③ 15:55~16:45 【座長:神子島 佳子(部会幹事、第一三共(株))】
「タンパク質工学で特定部位の免疫を活性化したり不活性化する」
石原 純 (Lecturer, Department of Bioengineering at Imperial College London)
- 3つの技術を紹介したいと考えています。
1:血管のコラーゲンに薬を集積させる。コラーゲンに特異的に結合するタンパク質(VWF A3ドメイン)を用いると、炎症部位や癌に静脈注射後に集積することを我々は発見した。これにより、免疫医薬、低分子化合物などの抗がん剤や自己免疫疾患の治療薬を局所に届けることができることを紹介する。(Nat Biomed Eng 2020, Sci Transl Med 2017, 2019, Sci Adv 2019など)
2:抗がん剤IL-12にマスクをつける。IL-12は理想的な癌免疫賦活剤であるが、その高い副作用が問題で臨床治験は失敗してきた。我々はマスクをIL-12につけて、癌の中でだけ特異的にマスクが外れるように分子設計した。その結果、高い抗腫瘍効果を維持したまま副作用の完全な低減させることを達成した。
3:リンパ節にサイトカインを届ける。我々はアルブミンがリンパ節に集積することを見出した。アルブミンと抗炎症性サイトカインを融合させると、強い免疫の抑制が誘導され、多発性硬化症、リウマチなどで強い薬効と免疫寛容の誘導が確認できた。(Nat Biomed Eng 2021)
16:45~16:50 【 閉会挨拶 : 満田勝(部会幹事、中部大学先端研究センター特任教授)】
参加費
無料
※ただし、2022年度研究部会員限定とさせていただきます
※本会年会費及び、研究部会費の未納がある場合は、ご視聴いただけませんのでご注意ください。
参加申込方法
研究部会員あてにお送りするご案内メールに記載の「Web申込みフォーム」にてお申し込みください。
締め切り:2022年8月18日(木)迄
※キャンセル・またはご登録内容の変更は、8月18日(木)までにお申し出ください。
※Webセミナーへ参加の方は、開催時に質疑を含め録画をおこないますので、登録フォーム内の意思確認に同意のチェックをお願いします。
研究部会員は後日、限定公開の動画でもご視聴いただけます
当日参加できない方のため、期間限定し(一ヶ月)、当日の講義を録画したものを、研究部会員限定で公開予定です。※ただし、有本先生のご講演・質疑応答は、当日のZoom配信のみとなります。
開催後の期間限定の動画視聴については、お申し込みは不要です。研究部会員のみなさまを対象に、後日、視聴方法についてご案内を差し上げます。円滑な運営のため、視聴方法選択へのご協力をお願い申し上げます。
問合せ先
- 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-5
- 公益社団法人有機合成化学協会「ニューモダリティと有機合成化学」勉強会係
- TEL.03-3292-7621 / FAX.03-3292-7622
- e-mail:syn.org.chemtokyo.email.ne.jp