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2019年度 後期(秋季)有機合成化学講習会プログラム

日時
2019年11月21日(木)~22日(金)
場所
(公社)日本薬学会長井記念館長井記念ホール
主催
有機合成化学協会 / 共催:日本化学会、日本薬学会 / 協賛:日本農芸化学会

テーマ「有機合成化学が切り拓く新しい世界-独創的アプローチの最前線-」

第1日目【11月21日(木)】

開会挨拶 12:55~13:00 開会挨拶
※下記時間は質疑応答を含まない/敬称略


1.「MOFのナノ空間内での新しい高分子化学」(13:00~13:50)
(東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻教授)植村卓史

金属イオンと有機配位子からなる多孔性金属錯体(MOF)は、そのナノ空間のサイズ、形状、表面状態を合理的に設計可能であることから、高分子合成や集積の場として利用することで、得られる高分子の一次構造(立体規則性、反応位置、シークエンスなど)や集積状態(配向化、アロイ化など)を精密に制御できる。このような機能性ナノ空間を用いた新しい高分子化学について、演者の研究を中心に解説する。


2.「異分野連携による新しい結晶化技術の開発とその事業化による大学発ベンチャー起業」
(14:05~14:45)
(㈱創晶 代表取締役社長)安達宏昭

2001年からフェムト秒レーザー照射による結晶化に取り組み、新機能結晶の開発に携わる研究者とタンパク質研究者との異分野連携による「創晶プロジェクト」(Crystal Design Project)を立ち上げ、革新的な結晶化技術の開発を行ってきた。その成果により、2005年に大阪大学発ベンチャー「株式会社創晶」を起業し、それから14年間、110社を超える企業からタンパク質や医薬候補化合物(有機低分子)等の難結晶化サンプルの結晶化受託実績がある。本講習では結晶化技術と産業利用促進の歩みを紹介したい。

**ブレイク20分(15:00~15:20)**


3,「我が国のデータ駆動型化学の黎明から現在まで」(15:20~16:10)
(東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻教授)船津公人

いまやデータ駆動型化学(ケモインフォマティクス)は、化学の研究のスタイルを変えようとしてる。しかしながら、現在のこのような流れが当たり前のようにあったわけではない。我が国のデータ駆動型化学の発展の歴史の中で取り組まれてきた研究を振り返り、その根底にある斬新なアイデアを紹介しながら、我が国がデータ駆動型化学の発展に寄与してきた道のりを紹介する。


4.「細胞内の疾患関連タンパク質を減少させる有機化学的手法」(16:25~17:15)
(東北大学大学院生命科学研究科活性分子動態分野教授)石川 稔

生体内で不要になった基質タンパク質は、酵素ユビキチンリガーゼによってユビキチン(目印)が付与され、分解される。我々はこのユビキチンプロテアソーム系を人工利用すべく、ユビキチンリガーゼと疾患関連タンパク質を人工的に近接させる低分子を設計・合成した。そして本低分子が、疾患関連タンパク質の寿命を生理的条件で短縮できることを明らかにした。標的タンパク質の存在量を減少させる本手法は、タンパク質の機能を制御する従来の低分子創薬手法とは異なり、低分子創薬の守備範囲を拡張できる可能性がある。


5.「核酸標的低分子創薬の理論と実際」(17:30~18:10)
(Veritas In Silico代表取締役社長)中村慎吾

核酸医薬品の上市が相次ぎ、mRNAを標的とした低分子創薬も米国を中心として急速に盛り上がっている。VISは、社内においては中分子創薬を、パートナー製薬会社とともに低分子創薬を行っている。低分子創薬においては、独自のmRNA構造解析システムMobyDickによるインシリコ解析に始まり、解析された標的をプローブに仕立て上げ、短期間に高速・高感度スクリーニングを実現する。その後、RNA-低分子複合体の3次元構造実測、QM計算によって化合物最適化を行う。VIS技術群は製薬会社各々の低分子創薬インフラ活用を最大化し、数多くのFIC創出に貢献する。


★★イブニングセッション(於;ロビー)★★(18:25~19:55)

第2日目【11月22日(金)】


6.「不活性な化学結合の触媒的変換」(09:45~10:35)
(大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻教授)鳶巣 守

化学反応は結合の切断と形成により進行する。弱い結合を切断し、より強い結合が形成される反応が、一般に起こりやすい。それゆえ、現在汎用される反応の多くは、炭素-ハロゲン結合やπ結合などの弱い結合の切断を起点とする反応である。本講習では、通常不活性とされる炭素-炭素や炭素-ヘテロ原子結合の切断を経る触媒反応について紹介する。


7.「新規低活動膀胱治療薬を志向したプロスタグランジンE2受容体デュアル作動薬(ONO-8055)の創製」(10:50~11:30)
(小野薬品工業水無瀬研究所医薬品化学研究部)木下晶博

ONO-8055は、プロスタグランジンE2(PGE2)が生体内リガンドとして作用する4つのEP受容体のうち、EP2とEP3受容体のみに対して作動活性を有する新規低活動膀胱治療薬を志向して開発された。ONO-8055は、3つの不斉中心やトリフルオロビニル構造等、特徴的な化学構造を有し、その合成法の確立に至る過程では、大環状ラクトンを経由したジアステレオマー分割、16位三級炭素の立体配置の単結晶構造取得による決定等が含まれる。本講習では、ONO-8055の創製に至った構造活性相関及び合成法について紹介する。

☆ランチョンセミナー(予定)&昼休憩


8.「生細胞で機能する化学プローブ・化学的解析手法の開発」(13:15~14:05)
(理化学研究所袖岡有機合成化研究室専任研究員)闐闐孝介

生物活性化合物の作用機序を明らかにするためには、その細胞内局在や標的蛋白質を明らかにすることが重要である。本講習ではそのための手法として我々が開発した2つの化学的手法、①アルキンタグとラマン顕微鏡を組み合わせた低分子化合物の生細胞イメージング法Alkyne-tag Raman Imaging(ATRI)および②生細胞中で生物活性化合物の標的蛋白質を蛍光標識可能なラベリングユニットO-nitrobenzoxadiazole(O-NBD)に関して紹介する。

**ブレイク20分**(14:20~14:40)

9. 「細胞内核酸の振る舞いを照らし出す人工核酸の合成と反応」(14:40~15:30)
((東京大学先端科学技術研究センター生命反応化学分野教授)岡本晃充

「メチル化」とは、メチル基が付加/置換する化学反応を指し示す化学の言語である。遺伝子発現機能を左右するDNAで起こるメチル化は、すなわちDNAが有機化合物である証左であり、有機化学的に取り扱うことのできる現象であることを示している。われわれは、メチル化DNAを理解するための分子を人工的に合成することによって、エピジェネティクス、すなわち遺伝子配列を変えずに遺伝子発現を制御するメカニズムを可視化することに取り組んでいる。本講習では、われわれの研究室で開発したいくつかの例について紹介したい。


10.「生合成遺伝子を応用した天然化合物生産および誘導体展開技術」(15:45~16:35)
(産業技術総合研究所生命工学領域創薬基盤研究部門最先端バイオ技術探求G)新家一男

現在上市されている医薬品の5~6割は、天然化合物あるいはその構造を模倣して合成された化合物である。天然化合物は有用な医薬品開発のリソースとして用いられてきたが、新規化合物の発見率が下がっていること、また複雑な構造故に、臨床開発での誘導体展開が困難であるというボトルネックがある。これらの問題を解決する手段として、生合成遺伝子を応用する技術の開発を進めている。本講習では、それらの最新の技術および成果について紹介する。

閉会挨拶 16:50